卒部論文

羽山 早織


 同輩より先に就職し、学生気分がぬけないまま1年が過ぎた。大学で自分が剣道をしていたことは少し遠くなって感じる。この前初めてOBとして紹介されたときは恥ずかしくもあり、寂しくもあった。
 大学での剣道はそれまでの剣道とは違い自分からやりたいと強く思ってやったものだった。その前は大学に入ったら剣道はやめて別のことしたいと思っていた。大学まで剣道をやるとは私の親もびっくりしていた。
 いろいろなことを器用にこなす人が世の中にはいるがそういう人に自分はすごく憧れていて晴れて大学に入ったらそんな人を目指してやると思っていた。でも実際剣道をしながらも自分なりにいろいろ楽しんできたが、何でも努力しないで出来る人はそういないということに気づいてきた。そういう人は努力するのを隠して、器用にみせるのが上手いだけなのかなと思うようになった。
 少なくとも自分はそんな器用な人間ではないことを知った。剣道でもそうだが、その他パソコン、テニス、ギター、卓球、ゲーム、たいがいすんなり出来る自分はいなかった。
 でも出来ない自分も知ったが、ねばり強い自分とか負けん気が強い自分も知ることは出来た。仲間もそうだ。多くの時間を過ごすことでその人の全部までではないが仲間の一部分を見ることは出来た。同じ境遇で言いたいことが言える仲間をつくることが出来てよかった。
 大学の剣道はそれまでの剣道とはかなり違っていた。剣道ばかりしていりゃいいってもんではない。そんなことをわからせてもらった。
 これからも自分は剣道を続けていこうと思う。せっかくここまで来たらやるしかないしょ。同輩のみんなもこれから別々の道にすすんで行くけど、たまにはみんなで会って剣道の話で盛り上がりたいものだ。みんなこれからもがんばっていきましょう。