鳴呼、青春の日々!!

前北海道学生剣道連盟幹事長


 大学の四年間で所属した剣道部は、まぎれもなく、生涯最大の青春の日々であり、今後もこれ以上の青春を味わうということはないであろう。今坂り返っても、「ああ、いい青春だったな。」と心から思える。青春とは人生の若い時代、人生の春にたとえられる時期、と定義されるだろうが、もっとも連想されるのは、「輝き」ではないだろうか。
 卒部論文ということで、あらためて振り返ってみても、仲間たち、そして自分が輝いていた場面が呼び起こされる。思い出をつづろうと思えば枚数に限りなくどこまでも綴ることができる。しかし、卒部論文として書くことは、思い出の列記ではないだろうし、思い出は、後輩に伝えるものでもないだろう。同じ青春を分かち合ったもの同士が口にはださずとも共有できるものであればそれだけで価値があるものだと思う。
 どんなに環境が変化し、時代が流れようとも、共通の青春時代の思い出は、仲間たちをその時代に、たちまちのうちに引き戻すだろう。 いまわれわれの代は、11人のうち、2人が働いている。来年にはまた2人ほど社会に出て行くかもしれない。同じ青春を分かち合った仲間とはいつまでも一緒にいたいと思うが、さすがにそうもいかない。今後ますます離れ離れになっていくだろう。だが、何年後であろうとも、何歳になろうとも、青春時代の思い出と、それを共有した仲間は、変わることなく、色褪せることなく、ずっと続いていくのだと思う。それだけの時間は共有したし、思いでもつくった。仮にいま社会に出た奴らと会って、語り、飲む機会があったとしたら、お互いに何の違和感もなく、一緒にいるのが当然のように付き合っていけるだろう。
 すでに引退してから一年が経とうとしている。さすがに、現在の立場では毎日部活に行くことはできないし、その環境にも慣れつつある。しかし、青春の仲間たちとは今でもあの毎日会っていた時期と変わらず接することができるし、いまだにメインの話題は剣道のこと。現役部員の様子や、試合の結果であったり、四年間に何度も話題に出した思い出を何度もだしてはまた同じように笑っている。いつまでたって も新歓は、笑い話だし、試合の結果や剣道論では熱いバトルが繰り広げられる。こういったことができるのも、われわれが同じ目的をもち、飲み、語り、輝いていたからなのであろう。共有するものがある限り、いつまでたっても仲間で居続けられる。そういった環境と、場を設けてくれた北大剣道部には大変感謝している。現役部員に敢えて言葉を遺すとするなら、その四年間がおそらく最後の青春の場であり、人生
でもっとも輝ける時期である。その青春をいい思い出にするも悪い思い出にするも自分たち次第である。試合の結果だけが良し悪しにかかわるものではない。良い思いでになってくれる仲間がそばにいるのであるから、共に青春を精一杯満喫してほしいと思う。引退したあとにそれが人生の最大の思い出になつ ていれば幸いである。
〜輝いた青春を駆け抜けた偉大な先輩より〜