卒部論文

小川 暁生


 僕らの代が剣道部を卒部してから1年が過ぎようとしている。今振り返ると4年間はあっという間だったが、現役部員として4年間を黙々と走っていたときはとても長く感じていた。それはたぶん楽しいだけでなく、苦しくつらかった剣道部への思いがそうさせていたのだろう。剣道部での生活では剣道以外にも実にいろんなことを学んだ。僕が北大剣道部に入って本当によかったなあと思えるのはいろんな人に会えたことだった。一番時を共にしたのはドンパの連中だったが、全国各地から個性派が集まってきた感じでとても面白く過ごしやすかった。もちろん言い合いをしたり仲の悪くなったときもあったけど、みんなが剣道部のことを考えているということは常に変わらなかった。愚痴を聞いたり聞かせたり、家をお互い荒らしあったりといろいろ迷惑を掛け合った(自分の方が多く迷惑かけてた気もするが‥・)仲は一生忘れることはできないだろう。またOBの方々、直接世話になった先輩方、後輩たちと剣を交え、酒を交えていろんな剣道観や人生観を聞けたことはとても面白く、ためになった。北大だけでなく定期戦で知り合った人たちにも同じことが言える。今でもその連中とは連絡があり、会えば意気投合して遊ぶことができる。これらが剣道部を続けた者に与えられる財産なんだと思う。
 剣道をやめてしまいたいと思ったことは何度かあった。新歓合宿のとき、疲労骨折をしたとき、2年目のはじめなどは真剣に悩んだが、ドンパや先輩との関係が楽しくて結局ずるずるとするうちに最後までやりきってしまった。今ではあの時逃げてしまわないで本当によかったと思っている。
 剣道部を卒業したが、僕には学校が残っている。これからの進路は未定だが、就職しようと進学しようと絶えずそこには人間関係が存在しそこが一番難しいのだと思う。大学の4年間など人生の中では一時だが、その一時に北大剣道部という組織の中で学べた大きなこと“人との関係の重要性”を常に考えながら自分の道を決め、進んでいきたいと思っている。
 
  お世話になったみなさん4年間ありがとうございました。